コッホ アンプKoch Supernova SN120H |
とりあえず、アンプ全面になんと28ものツマミがずらっと並んだこの外観から、すでに圧倒されてしまいそうですね。その圧巻の機能性をみてみたいと思います。
コッホ アンプKoch Supernova SN120H |
真空管の構成は、プリアンプに12AX7を6本、パワーアンプにはEL34が4本搭載されます。また、後で述べますが「OTS」というスイッチがありまして、内蔵の0.5Wパワーアンプをまた別で駆動させることで、低域の強調を図る機能があり、そのために12AX7が120Wでは1本、60Wでは2本搭載されます。
チャンネルはなんと5チャンネル仕様!完全独立の1〜3チャンネルと、EQが共通する4、5チャンネルという形になります。それぞれのコントロールは、Ch.1がヴォリュームと3バンドEQ、Ch.2がドライブ、ヴォリュームと3バンドEQ、Ch.3がドライブ、ヴォリューム、プレゼンスと3バンドEQ、そしてCh.4と5に共通するプレゼンスと3バンドEQ、およびCh.4のハイゲイン、ヴォリュームコントロール、そしてCh.5のウルトラゲイン、ヴォリュームコントロール、そして全体をコントロールするのが2つのマスターヴォリューム(どちらかを選択し、切り替えることで瞬時に音量を変えることができます)と先ほどのOTS用ヴォリューム、ドライブ、そしてスプリングリバーブで、計28のコントロールが搭載されています。
さらに、LOW, MID, Bright, Hi Cut4つのヴォイシングを使うことが出来、さきほどのOTS、さらにスピーカーコーンの振動を電子的に制御する「Speaker Damping」機能が3つ搭載されており、キャビネットのサウンドを微妙に変化させることも可能となっています。単純計算で5ch×5ヴォイシング(OFFを含む)×2(OTSのON/OFF)×4(Speaker Damping、OFF含む)×2(マスターヴォリュームの選択)=400通りものサウンドバリエーションをもっている、という考え方ができますね。
しかも、エフェクトループがシリアル接続のものが2つ、パラレル接続のものが2つ、計4つも搭載されていて、チャンネル、ヴォイシング、Speaker Damping、OTS、エフェクトループ、OTS、マスターヴォリューム、スプリングリバーブそれぞれの選択を本体にプリセットし、MIDIコントローラから呼び出すことが出来るという機能まで搭載。まるでフルチューブ、フルアナログのマルチエフェクターのような使い方すらできてしまうという前代未聞のアンプです。
Marshall JVMをはじめ、いくつか多機能なアンプヘッドは見てきましたが、ここまで「機能性」の面で優れたアンプは初めてです。スピーカーアウトプットは、120Wが4Ωが2つ、8Ωが2つ、16Ωが1つ搭載され、60Wではそれぞれ倍の数のアウトプットが搭載されています。
これだけの機能をそなえながら重さが26.5キロと、ちょっと重いながらもアンプヘッドとしては常識的な範囲におさまっているのもすごいですね。機能を調べていると、なんか30キロ超えてくるんじゃないかと思いましたw
今ではやはり多機能アンプといえばHughes & Kettnerのイメージがどこかにあるんですが、今後はもしかしたら、そのサウンドにも定評のあるKochが機能性の面でもリードしていくことになるんでしょうか。
それにしても、とんでもないモンスターアンプが出てきたものだと思います。もうなんにでも使えそうですねw