VOX satchurator 【JS-DS】 |
このペダル、すごい評判で、まだ発売して間もないにもかかわらず、すでにメーカーでも欠品になっているほどだそうです。ということで、これは試さずにはいられない、と、早速弾いてきました!
では、レポートいってみたいと思います。
VOX エフェクター JS-DS [ヴォックス][satchurator]【三万円以上のお買い上げで送料無料】 |
コントロールはGAIN、TONE、VOLUMEの3つと、ワウペダルなどを接続したときにクリップを起こさないため(?)のPADスイッチ、そしてONとMOREのフットスイッチを備えたモデルです。赤い筐体に白いチキンヘッドノブが映える、見た目もかっこいいペダルとなっていますね。ペダルの奥側には、サトリアーニのサインも入っています。
このペダル、とにかく相当こだわって製作されたモデルのようで、実際さまざまな場所で高い評価を得ています。価格も1万円台前半と抑えられている点も魅力的ですね。
それでは、セッティングいってみます。
リアPUにディマジオのシングルハムが搭載されたストラト
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VOX satchurator JS-DS
【ギターアンプ】Roland JC-120 |
ではレポートしてみましょう。
- 操作性
操作性については、どこにも問題は見あたりません。こういうサイズのペダルだと、IN/OUTが奥側についていたりするんですが、(それはそれでいいんですがw)このペダルは上の写真のように、左右にINPUT/OUTPUTが設置されているので、ボード内での接続もやりやすいのではないかと思います。
ボード内の配置といえば、こういうブーストスイッチ付のペダルには、時々かなりの大きさのものが存在します。では、このペダルの大きさはどの程度かというと、143(W)× 121(D)× 58(H)mmということで・・これはもしかしたらこれまでDS-1をメインディストーションとして使ってきたサトリアーニさんの指定によるものかもしれませんが・・・BOSSペダルを横に二つ並べたサイズとほぼ同じになっています。ですので、ボード内での収まりも非常にいいと思います。これもまたこだわりの一つなのかもしれませんね。(BOSSペダルは73(W)× 129(D)× 59(H)mm)これはフットスイッチやノブを入れた高さなので、実際はそれよりも小さく感じます。
フットスイッチは電子式です。バイパス方式も、トゥルーバイパスではなく、BOSS等と同じバッファを通した形になるみたいですね。
- サウンドレポート
では、サウンドです。このペダルは、言われるまでもなくディストーションです。基本的な音の方向性としては、さすがDS-1を使うサトリアーニさんとのコラボという感じで、荒々しく、粒の大きい歪みが特徴です。基本的にちょっと軽くMIDが削られているように思います。極端な言い方をすると、「ソフトなビッグマフ」ですw
音はかっちりとまとまった感じのハイファイ系で、KEELEYのペダルを彷彿とさせる音だと思います。
まずはこのペダル最大の特徴として出てくるのが、「反応のよさ」でしょうか。最近のブティックでクランチなオーバードライブなんかだと、ピッキングやギター側のヴォリュームコントロールに対する反応の良さはもはや必須項目といっても過言ではないほどになっている感じがしますが、このペダルはディストーションでそれを実現してしまいました。
もちろんある程度の味付けはされますが、ゲインに関して言えばフルゲインにしていてもギター側のヴォリュームコントロールでクリーンなアルペジオができます。しかも、この反応性が絶妙の設定で、反応性は非常に高いんですが、「反応が良すぎて音のコントロールが難しい」というレベルまでいかない、ギリギリのところで調整されているように思います。これは試作にかなりの時間を要したのではないかと思います。
そしてもう一つおもしろいとおもったのは、GAINコントロールの効き方です。ほとんどの歪み系ペダルがそうですが、GAINコントロールって、その上下に合わせてヴォリュームも上下することが多いと思います。しかし、SatchuratorはGAINコントロールをいじってもVolumeがほとんど変化せず、ゲインのみが変化するという感じです。地味なところですが、これは音作りをする際、とても役に立つ機能だと思います。
TONEコントロールは、逆にちょっと効き過ぎな感じもしますね。特に低域方向にまわすと、瞬時にこもった感じの音になってしまうように思いました。高域方向はまだマシですが、それでも効きがかなり強いです。もちろんつなぐアンプ等によっても変わってくるとは思いますが、ツマミの可変幅にくらべて、実用的な範囲がちょっと狭いと感じました。
MOREスイッチは、純粋にゲインだけを上げる感じで、ヴォリュームはほとんど変化しません。ゲインは設定によりますが、かなり高くなりますね。フルゲイン+Moreスイッチなら、メタルやヘヴィネスなどに使っても十分対応できるように思います。しかも反応性がいいので、ギター側のヴォリュームをしぼればONにしっぱなしでもゲイン調整ができます。
印象としては、非常に優等生でハイファイサウンド、という感じです。KEELEYやFULLTONEが出していたとしてもおかしくないようなサウンドだと思います。この作り込みは天晴れですね。
「他のペダルをつないだときに発生するクリップを回避する」というユニークな機能のPADスイッチですが、今回の単体試奏ではPADスイッチをONにしてもOFFにしても、音は全く変化がありませんでした。相当大音量でならさないと意味がない機能なのかもしれません。
ちなみにこのペダルなんですが、聞いた話によると、最初は4万円くらいの価格にするつもりだったそうです。シグネチャーですし、音も定評のあるブティック系に勝るとも劣らないレベルというペダルですから、本当に4万円で出ていたとしても不思議ではないペダルだと思います。これほどレベルの高いサウンドと、買いやすい価格帯の両立を実現させているんですから、評価が高いのも当然ですね。
というわけで、今回はVOX satchuratorのレポートでした。正直言ってこれほどのレベルとは思いませんでした。ディストーションペダルとしては珍しいほどの大ヒットとなっているようですが、これが今後新たな定番として認知されていくのか楽しみです。もしシグネチャーだから、と敬遠されている方がおられましたら、是非試すだけでも試してみて欲しいと思います。それだけの価値があるペダルですよ、これは。
あ、そうそう、全く関係ないですが、今日難波で中田カウスさんらしき人を見かけましたw