【エレキギター】Gibson Les Paul Junior 1958 Satin Finish |
LP Jr.は、ギブソン初のソリッドエレキギター、レスポールの廉価版として1954年に登場しました。当時最新で高価だったハムバッカーPUの代わりにP-90を1発搭載し、またアーチトップをつけないことで価格を下げて売ることができたというモデルです。もちろんギブソン手持ちの技術もあったことと思いますが、すでにテレキャスターという「量産型エレキ」のお手本があったにもかかわらず、廉価版でもネックはセットネックとしていたあたりに「Fenderとは違う」というギブソンの気持ちがあったのかな、とちょっと思ったりします。当初はシングルカッタウェイ/1PUのみのラインナップでしたが、55年には2PU仕様の「Les Paul Special」が登場します。58年の中頃にはストラトに対抗してなのかどうかは分かりませんが、ダブルカッタウェイモデルに変更され、61年には大元のLes Paul Standardが生産中止、SGに移行したことでジュニア/スペシャル共にSGとボディの共通化がなされています。ちなみに59年から登場した「さらに廉価版」のメロディメイカーも61年あたりでSGとボディの共通化がなされていて、一番しっかりした作りのメロディメイカーが存在した時期でもあったりします。その後結局63年頃に「Les Paul」の名前が消え、LP Jr.はSG Jr.となり、1971年に生産が終了しています。
LP Jr.を使ったギタリストとしては、ピート・タウンゼント(SG Jr.)やキース・リチャーズ等の有名ギタリストの名前がならびます。もちろんレスリー・ウェストさんも!最近ではGreendayのビリー・ジョー・アームストロングが使っていることもあり、またP-90とマホガニーボディという組み合わせによる独特のサウンドもあいまって、注目されているギターの一つだと思います。
そんなLP Jr.なんですが、80年代後半〜90年代前半くらいにリイシューモデルが発売されていたようですが、その後はカスタムショップ/ヒストリックコレクションで生産が続けられていて、また、単発のリミテッドモデルではいくつか発売されてはいます。最近だと山野楽器のリクエストで作られたLes Paul Junior Special Fadedなどがありましたね。そんなこんなでGibson USAのレギュラーラインでのラインナップにはなかったLP Jr.がレギュラーラインで発売さることになったのが、この「Les Paul Junior 1958 Satin Finish」というわけですね。
このモデルは、1958年にダブルカットモデルに変わる前、シングルカットモデルの最終期のモデルを元に復刻されているようです。ボディとネックはマホガニー、21Fローズ指板を採用し、P-90をリアに1発搭載しています。コントロールはVolumeとToneのみのシンプル仕様です。
指板のインレイはドット、ヘッドのロゴはシルクスクリーンと、当然ながらLP Standardとの差別化も図られています。また、ブリッジとテイルピースが一体となった「ラップアラウンドブリッジ」を採用しています。オリジナルのJr.に搭載されていたスタッドブリッジと比べると、6〜1弦までが階段状になっているためオクターヴチューニングは合いやすいと思います。ですがもちろん、Tune-O-Maticのようにサドルごとにオクターヴを調整できるわけではないので、たとえば極端に弦高を下げたり弦のゲージを変えたりするとオクターヴが合わなくなることもあると思います。もちろん、そういった部分も含めてLP Jr.なんですけどね。
それにしても、元々廉価版モデルとはいえ、Gibson USAのレギュラーラインナップとは思えないくらいの価格だと思います。これはGibson、久しぶりにヒットの予感かもですね!
人気blogランキングへ