手頃な価格でミニサイズペダルをラインナップする中国のエフェクターブランド。MooerやRowinに続いて登場したブランド、Movall Audio。
その中でもこれまでに無かったタイプのペダル、Movall Audio Hornet MM-05をレビューしてみたいと思います。
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Movall Audio Hornet MM-05
こちらが、そのHornetです。中国系のエフェクターブランドには珍しい、非常に良いデザインのペダルです。特にこのHornetに描かれているハチは、なんだかほのぼのとして可愛いです。
コントロールはPre.、Vol、Tone、Sting。Pre.はプレゼンス、StingはDriveコントロールです。
大きなノブと小さなノブ。この組み合わせはMooerを思わせるスタイルですが、アダプタ端子の位置がインプット側の側面にあります。Movallのペダルは、全て自社で開発を行っているとのことですね。
エフェクトをONにすると、このようにノブが光るようになっています。
では、中を見てみましょう。
裏蓋を開けるとこんな感じです。トゥルーバイパスですね。
透明なノブを外すと、ポットのすぐ近くにLEDが付いています。これでノブを光らせています。
基板はこんな感じです。
パーツは全て実装パーツ。OpanmpはJRC4580が使われています。全体的にパーツは少なく、シンプルな回路となっています。
このペダルは、Lovepedal Kalamazooをベースに開発されていますが、このシンプルな回路はさすがLovepedalですね。
ちなみに、以前のレビューで載せた、Kalamazooの内部はこんな感じです。こちらは金属皮膜抵抗などが使われています。
では、レビューいってみましょう。
- 操作性
まずは操作性。Mooerをはじめ、このスタイルのペダルに共通して言えることですが、よくぞこの小さな筐体にこれだけのコントロールを搭載した、という反面、小さなノブは今どこを指しているのかが分かりにくいです。元ネタとなったLovepedal Kalamazooにも同様の小さなノブが付いていますが、ノブのポイントがより大きいタイプなので、比較するとオリジナルの方が見やすいと言えます。
ただ、コントロールはスタンダードなものなので、使い方が難しいことはありません。
- サウンドレポート
まずは、音を録ってみました。
サンプルサウンド1(High Gain)
- 録音環境
ギター:Fender USA Limited 60th Anniversary Tele-Bration Series '62 Telecaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Sting:3:00 Pre.:12:00 Tone:2:00 Level:12:00
サンプルサウンド2(Low Gain)
- 録音環境
ギター:Fender USA Limited 60th Anniversary Tele-Bration Series '62 Telecaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Sting:9:00 Pre.:2:00 Tone:2:00 Level:1:00
サンプルサウンド3(vs.Lovepedal Kalamazoo)
- 録音環境
ギター:Fender USA Limited 60th Anniversary Tele-Bration Series '62 Telecaster リアPU
アンプ:Koch Classic SE C-SE6C クリーンセッティング
セッティング:Hornet Sting:1:00 Pre.:10:00 Tone:9:00 Level:3:00 / Kalamazoo Drive:2:00 Glass:Full Up Tone:Full Up Level:1:00
Hornet → Kalamazoo
音はこんな感じです。まず、おそらく誰もがきになるオリジナルKalamazooとの比較なんですが、音というか、歪みの特性そのものは非常に近いと言えます。が、音を聞けば分かるとおり、ローの出方がかなり違っていました。サンプル3では似たような音を出そうとしてみましたが、セッティングをみての通り、KalamazooのToneとGlassはフルアップに設定し、Hornet側はPre.とToneを下げ目に設定しています。Kalamazooはローミッドに重みがあり、Hornetはハイミッド〜ハイが強くなる特性があるという感じです。
ただ、その特性もKalamazooそのものの音を出したい、というのであればまた違うんですが、単純にオーバードライブペダルとして見ると、良い感じになります。テレキャスターと合わせると、Kalamazooの持つミッドの独特の厚み、巻き弦の立体的な感じなどと共に、強めの倍音成分が綺麗に出るのでとても存在感が出ます。
特にジャリっとした雰囲気の、ちょっと違いますがBD-2のような使い方が出来るペダルとなっていると思います。
キラキラしたブライトな歪みが欲しいなら、このペダルはかなり使えると思います。
ゲインはそれほど高くありませんが、オリジナルKalamazooよりは少し歪みは強いです。また、音量もかなり大きめに出るので、ゲインを下げてブースター的な使い方もできます。各ノブはスムーズな動きで使いやすいペダルとなっています。
間違いなく言えることは、歪みのクオリティとしては非常に高いペダルです。もちろんオリジナルの回路が素晴らしいということもあると思いますが、全体的な味付けも悪くないですね。ペダルとしてのクオリティは十分で、価格も手頃。さらに扱いやすいコントロールでデザインも良いです。
オリジナルKalamazooと同じ音が出るかどうかはアンプやギターにもよると思いますが、全体的にハイミッドが強めに出る特性となっているのでそこはオリジナルと違っています。そしてこのスタイルのペダル全体に言えることですが、小さなノブは見づらいです。
とはいえ、このクオリティがこれほど手頃に買えるというのはとても面白いと思います。完コピではなく、オリジナリティもあるペダルですね。
十分に良いペダルと言えるのではないでしょうか。
サンプルムービー
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