前回、「フェイザーの仕組みと激安フェイザー」の回では、フェイザーは結果的にフィルタの可変域を周期的に変える、というオートワウと似たような効果であることを解説しました。そこで今回は、「定番」と呼ばれるフェイザーをいくつか紹介してみようと思います。それではいってみましょう。
![]() MXR PHASE90 M-101 |
そして、EVHといえば・・・やはりこの、MXR Phase90でしょうね。スピードノブ一つというシンプルコントロールな4段フェイザーは、まさにロックな感覚そのものといえるでしょう。微妙なクリップ感があるのも、一つの味といっていいんではないでしょうか。登場から現代まで続く、超ロングセラーのエフェクターですね。
![]() 【送料無料】MXR EVH Phase 90【smtb-td】 |
基本的なコントロールはスピードのみのシンプルな構成のまま、左上に「スクリプトモード」のスイッチが配置されています。ノーマルモード時は現代的な、全体的に音が太く、そしてやわらかくフェイザーがかかるようなモードで、スクリプトモード時は、スクリプトつまり筆記体ロゴのころのフェイズ90をシミュレートした、全体的にうねりがかかるようなサウンドとなっています。つまり、ノーマルモードでは現代のPhase90、スクリプトモードではEVHがデビューしたころのPhase90のサウンドと考えていいと思います。
また、この見た目もハデでいいですね。EVHのオフィシャルカラーで、このカラーリングをまとったギターも最近製品化されましたね。
![]() MXR M107 Phase100 |
![]() BOSS Phase Shifter PH-3 |
何よりもRISE/FALLのモードはすばらしく、サイバーな雰囲気をかもし出す、新しい効果が売りですね。RISEやFALLとは、「上がり続ける」「下がり続ける」といった効果で、これを間奏や曲の要所で使うとおもしろそうですね。STEPはステップフェイザーですね。これと数回反響させるロングディレイを使って、弦を指でこすってやれば、雨音をギターから出す、という技も可能です。
![]() electro-harmonixUSA Small Stone フェイザー |
コントロールはスピードと、カラースイッチですね。カラースイッチをONにすると、より激しくうねるフェイザーに、OFF状態でも他とは一線を画す、音が太くエグいフェイザーとして使うことができます。しかし、エグいながらもスムーズなそのサウンドで、世界中でロングヒットをしているモデルですね。独特の筐体も味わいがあります。
さて、今回は定番フェイザーをいくつか見てきました。シンプルなMXR、多機能なBOSS、エグいエレハモと、まさにその会社の色がはっきりと出た点が面白いですね。歪み系だとなかなかこうはいかないんですが、ことに空間系ではメーカーの方向性が顕著に現れるので、いろいろ見ているだけでもおもしろいですね。
次回はマニアックなフェイザーや高級ハイエンドモデルを紹介しようと思います。