さて、今回は、今のところ「うちにある歪みの中でもっともハイゲイン」なサウンドを作ることができる、このD.N.A analogic GAIN FXXKerを紹介します。
それでは、いってみましょう!
こちらが、そのGain FXXkerです。すでに生産終了となっている初代モデルですね。現在は後継機であるGain FXXker IIが売られています。
搭載されるコントロールは、LEVEL、CUT、DRIVE、PICKとなっていて、「CUT」はいわゆるTONE、そして独特のコントロールである「PICK」はピッキングニュアンスをコントロールするためのものです。
現行のGain FXXker II(GF-2)では、PICKコントロールの代わりに「FXXK」コントロールが搭載され、こちらは低域をブーストするものですね。GF-2が発売された時期は7弦ギターによる、いわゆる「モダンヘヴィネス」全盛時代だったこともあって、こういった変更がなされたんだと思います。
さて、GF-1ですが、定価は¥25,000とハンドメイド系ディストーションとしては標準的な価格設定です。私はこれを中古品で¥13,000くらいで買いました。試奏はしていませんw・・・名前が気に入って、通販で即買いでしたw
それでは、ちょっと中を見てみましょう。
こちらがGF-1の内部です。手前にあるのがフットスイッチで、6PIN、DPDTのフットスイッチです。トゥルー・バイパスではありません。が、OFF時の音痩せはさほど感じません。
そして、見ていただくと分かるとおり、ハイゲイン系ペダルにしては部品点数はかなり少ないですが、多数の電解コンデンサが目を引きますね。
オペアンプは・・・
富士通製MB47358、調べたところ、LM358という非常に一般的なオペアンプの互換品ということです。ちなみに、HAO Rust DriverもLM358を使っているらしいですね。(ラストドライバーとこのGF-1はずっと私の2大メイン歪みだったのですが、同じオペアンプだったというのは意外です。個人的に好みの音なのかもしれません)
それではレポートの方にいってみましょう。
- 操作性
ツマミの効きが非常によく、さらに幅が広いため、音作りには時間がかかるタイプです。コントロールも独特なので、最初はとにかく迷いました。
そして、何よりも一番の問題点がコレです。
このツマミ、デザイン的には非常にかっこいいのですが、ライブステージや、家で使っていても、どこを指しているのか非常に分かりにくいです。(反射がいいのでうちのデジカメさんとPC画面が写っちゃってます。デジカメはSONYのDSC T9というモデル、PC画面は当サイト「きになるおもちゃ」を表示中でしたw)
しかし、その使いにくさを差し置いてでも使っていたのは、やはりサウンドのよさですね。
ちなみにTONEの役割を果たすCUTノブですが、意味合い的には「中域カット」という意味を持たせたらしく、絞ると中域が出て、上げてやるとドンシャリ傾向になる、ちょっと独特なTONEです。
- サウンドレポート
というわけでサウンドレポートいきます。今回はサンプルを用意しましたのでまずはそちらを聴いてみてください。
それぞれの説明をします。サンプル1の出だしはエフェクトOFFのクリーンサウンドです。そしてONにしてのセッティングは、CUT(TONE)が最大、DRIVEが12時、PICKが最小となっています。このセッティングを基本として、サンプル2では、1の状態からCUTを最小まで絞ったセッティング、サンプル3では、1の状態からPICKを最大に上げたセッティングです。
ギターはFender Japan ST57-66US(改)で、アンプはYAMAHA GA-10を使っています。サンプル1の基本セッティングは、このペダルがメインのころ、グレッチギターに合わせた基本セッティングだったのですが、ストラトにはサンプル3のセッティングが合うように思いますね。
サンプル1ではピッキングニュアンスを殺した滑らかなディストーションで、粘り気のあるリフなどに使えます。サンプル2では、「本当にディストーションなんだろうか」と思うようなマイルドなサウンドで、TS系オーバードライブだ、と言い張っても通用しそうなサウンドですね。サンプル3では、逆にジャキジャキ系のサウンドとなっており、この機種の音作りの幅広さがお分かりいただけると思います。
ちなみに、このGF-1ですが、回路的にはBoot-Leg HIZUMI HZM-1.2と似ているらしく、GF-1系の音を探しておられる方は、後継モデルであるGain FXXker IIよりもこちらを試されるのもいいかもしれませんね。
というわけで、今回はD.N.A analogic Gain FXXKerのレビューでした。クランチからハードな歪みまでをカバーする、非常に使いやすいサウンドを持ったペダルで、ある意味、「名前のイメージと違う」かも知れませんが、もし楽器店などで見かけられたら試されることをオススメしたいペダルです。いいですよ、これ。