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Hughes & Kettner TUBEMAN


1998年の発売以来、長いこと高い人気を誇っているペダル型プリアンプ、Hughes & Kettner TUBEMANを買ってしまいました。主に自宅で弾くのがメインとなっている私には、非常に有用なペダルです。
では、レビューしてみたいと思います。今回は長いですよw

数日前、ふと某ハードオフに立ち寄ったところ、普通の(ジャンクではないw)中古品としてこのTUBEMANを見つけました。見たところまだ新しく、とても綺麗です。ハードオフさんはどうやら、定価の半額の値段を付けたつもりだったようですが、それが旧定価でした。ちなみに旧定価(98年発売当初の定価)は¥52,500、現在の定価は¥60,900となっています。ユーロ高の影響とはいえ、値上がりしましたね。(実売価格はそんなに変わっていませんが)
で、その場で買おうと思ったのですが、一応取り置き(ハードオフさんは1日だけ取り置きしてくれます)していただいて相場を調べたところ、特に高いわけではないということが分かったので、買うことにしました。
こういった真空管搭載の機材を中古で買う場合、その真空管のへたりなども気にしたいところですが、ギターアンプでまずダメになる真空管は、パワー管です。プリアンプ、しかもこういったペダル型のように大した電圧がかからないタイプのものは、よほど古いものでなければ、まず大丈夫です。
さて、では紹介の方にいきましょう。

こちらが、今回買ったTUBEMANです。写真はこの後で出しますサンプルサウンドを録ったときのものです。見ての通り、かなり大きいですね。私の場合はボードも小さいので、よけい大きく見えるかも知れませんが・・・。
コントロールは10コのツマミと3つのフットスイッチで構成されます。以前のレポートでも書きましたが、クリーン、クランチ、リードの3ch仕様となります。プリアンプですので、バイパスはできません。その場合はクリーンチャンネルにします。

CH.1とCH.2のコントロールです。左からCH.1のVolume、CH.2のGAIN、VOLUMEとなります。

そしてCH.3のコントロール、左からGAIN、VOICING、VOLUMEです。

マスターコントロールは、3バンドEQとMASTER VOLUMEとなります。私は基本的にEQはフラットにしています。

こちらがIN/OUTPUTです。INPUTは写真右(ペダルだと左側)にあり、中央がOUTPUT、写真左がRED BOX PROと同様のキャビネットシミュレータを通るMIXER OUTとなります。写真にはありませんが、その横には12Vの専用DC INPUTがあります。私は主にこのMIXER OUTを使います。今回のレビューも、MIXER OUTを使ってのものとなります。しかし、少し前にIbanez S320の試奏のときにTUBEMANを使ったのを覚えておられるでしょうか。その際、通常のOUTPUTからアンプのリターンにつないだりして試したりしましたので、その印象もレポートしたいと思います。ちなみに以前のレポートではOUTPUTからアンプのINPUTにつないでのものでした。
さて、TUBEMANといえばこの外観も特徴的ですね。2002年ごろマイナーチェンジされてロゴが青く光るようになったのも有名ですが・・・

このように、魚のウロコ(とかビックリマンシールのキラw)のような筐体も面白いです。ペダルの見た目って私は大事だと思います。音が全てだ、と言ってしまえばその通りなのですが、なんとなく「やる気」にさせてくれる見た目って重要ですよ、やっぱり。
では、ちょっと中身を見てみましょう。TUBEMANの筐体の構造は、Rocktronのものによく似ています。両サイドにあるネジをはずすと、サイド部がはずれます。そしてスイッチとツマミ、LEDの部分の基板は上部、つまりさきほどのキラキラの部分に固定されています。しかし、メイン基板はペダル奥側のジャックをはずさないといけません。ですので今回はそのサイド部の蓋を取り、そこからのぞく形で撮ってみました。

ペダル左側からのぞいたメイン基板です。写真左側にある壁のようなものがコントロール基板となります。写真中央上部にあるのが真空管ですね。見ていただくと分かるように、アナログ回路ですがパーツはものすごく多いです。筐体の大きさの割りにメイン基板は小さく、奥にあるジャック部から真空管のあたりまでとなっています。

こちらはペダル右側から見たものです。写真右奥の黒く四角いかたまりが電源トランス、手前の丸くて大きな黒いものがコンデンサで、このあたりが電源部をつかさどります。中央の丸い形にハンダが付けられている基板が真空管を固定しています。

こちらは、コントロール基板とメイン基板のジャック部です。写真右側に縦についているのがコントロール基板ですね。しかしすごい量のパーツです。回路図とか起こしたりするのは大変そうですね。

こちらはフットスイッチです。写真はCH.1のものですね。このペダルはドイツ製なのですが、フットスイッチが日本製だったりします。こういう部分を見ても分かるとおり、全体的に使われているパーツは高品位ですね。
ロゴをどうやって光らせているのか謎と思う方もおられると思いますので、その部分も見てみましょう。

ちょっと分かりにくいですが・・・写真左上の赤いのがCH.3のLED、そして右上にある青いのがロゴを光らせているLEDです。青LEDが白い板に埋もれていますが、これがロゴが光る部分です。この板は透明で、「Hughes & Kettner」のロゴと、5角形の窓の形に添って、この板に「傷」が付けられています。透明な板の中を通るLEDの光が、この「傷」に反射して、まるでネオンサインのようにロゴが光る、というわけですね。この部分はなかなか凝った構造になっていて、この「板」は上にもう1枚、薄い透明な板が取り付けられて窓の部分になっています。この青LED(逆側にもあります)を交換すれば、いろいろな色に光らせることができます。例えば・・・


これは右側のフタを開けたところから携帯カメラの撮影用に使われる白色LEDやデジカメやオートフォーカス用赤色LEDを照射したものです。青LEDよりも位置が遠いので、内部基板まで照らしてしまっていますが、ロゴが白や赤に光っているのが分かると思います。こんな部分を改造してみるのもおもしろそうですねw

では、操作性については以前のレポートと印象は変わらず、とても使いやすいですので、音の方、いってみましょう。

  • サウンドレポート
    • 試奏時の評価

まずは、S320の試奏時、アンプのリターンにつないでのレポートから書きます。そのときのセッティングは以下の通りです。

よく言われる評価として、TUBEMANは「抜けが悪い」「CH.3が使えない」というものがあります。これは、JC-120のリターンにつないだときに確かに感じました。抜けに関してはたしかに「あまり抜けないなぁ」と思いました。JC-120に関して言えば、このペダルはアンプのINPUTにつなぐ方が相性がよさそうですね。INPUTにつなぐと、しっかり抜けてくれます。CH.3については、これは使い方次第です。このときはあまりツマミをいじらなかったのですが、実際に使ってみると、CH.3もちゃんと使える音が出ます。ただし、VOICINGのスイートスポットが狭く、設定によっては全く抜けないで埋もれる音になってしまいますね。以前のレポートでVOICINGはドンシャリ感を強める、と書きましたが、間違いでした。VOICINGは、主に強調する周波数域を設定するツマミのようです。なんとなく、「素直な音」を出したくてVOICINGを0の位置にしてしまうと、低域を主にに強調してしまい、音が埋もれがちになります。ですので、VOICINGは12時の位置が最もフラットといえそうですね。そして、このVOICINGツマミの利き幅がやたらと広く、埋もれる音からキンキンする音まで出すことができるのですが、それが逆に「使えない」との評価になってしまっているように思います。このあたりの設定をしっかりやれば、使えない音ではないと思いました。しかし、CH.1とCH.2については、非常にいい音だと思います。特にCH.1はすばらしいですね。
また、アンプのリターンにつなぐ場合ですが、JC-120には合わなかったものの、Marshallなどのフルチューブアンプのリターンに接続すると、非常にいい音が出るとの評価をよく聴きます。これは機材の相性によるものでしょうね。今度、チューブパワーアンプにつないで音を出してみたいと思います。

    • 改めて、サウンドレポート

それでは、例によってサンプルサウンドを使ってレビューしていきます。今回はサンプルも多めです。

CH.1 クリーンチャンネル

緑色のLEDで表示されるチャンネルです。
レスポール
ストラト
TUBEMANの真空管が最も力を発揮するチャンネルが、このクリーンチャンネルだと思います。実際、非常に素直で暖かみのあるクリーンが出せますね。微妙に歪みかけている感じが、またチューブっぽくていいと思います。RCE-10でコーラスをかけるとこんな感じです。
レスポール
ストラト
「アンプはペダルの一番最後」という先入観から、空間系をTUBEMANの前につなぐ方も多いようですが(別に悪いことではありません)、空間系の力を発揮させるならば後につないだ方が無難です。これもそのようにしています。アンプのセンド/リターンと同じ手法ですね。エフェクトの乗りもよく、使いやすいです。
では、歪ませてみましょうか。コンパクトエフェクターの歪みを使う場合も、このCH.1にしますね。
レスポール・バッキング
レスポール・リード
ストラト・バッキング
ストラト・リード
歪みのエフェクトは、先日紹介したHBE GermaniaSole Pressure MOD、そしてTimmyを直結してONにしています。(上にあったボードの写真のとおりです)基本的な歪みはゲインを低くしたTimmyで、Sole Pressure(クリッピングなし)で低域を、Germaniaで高域をブーストしています。あまり歪みペダルを3つもONにする機会はないと思いますが、使い方によってはこのように、1台で使うよりもいい音が出せる場合もあります。いろいろ試してみるとおもしろいですよ。

歪みといえば、オーバードライブばかりではありません。というわけで、次はファズをつないでみましょう。つないだのはFUZZ FACEです。
レスポール
ストラト
FUZZ FACEのツマミはフルテンで、ギター側のヴォリューム、ピッキングなどで歪みを調整しています。

CH.2 クランチチャンネル

それでは、評価の高いクランチチャンネルを見てみましょう。これは黄色のLEDで表示されます。ちなみに、CH.2、CH.3ともに歪みの「質」というか、その基礎となるものは同じです。CH.3にはVOICINGがついているのとゲインが高いのもあって違うものに聴こえますが、基本的には似た音ですね。今回、CH.2ではかなりゲインの低い、歪むか歪まないか、という程度のゲインに設定しています。ツマミだと10時前後です。
レスポール・バッキング
レスポール・リード
ストラト・バッキング
ストラト・リード
かなりゲインを下げているので、リードではちょっと物足りなく感じるかもしれませんね。今思ったのですが、これはブースターなどを使うといいかもしれません。
このチャンネルは、反応も非常にいいんですよ。
レスポール・反応性
すべてピッキングのみで歪みを調整しています。あのパーツの量でこれだけ反応がいいのは、やはりプリアンプならではでしょうか。

CH.3 リードチャンネル

赤色LEDで表される、リードチャンネルです。VOICINGはフラットに近い、12時あたりとしています。ゲインはフルではありませんが、それなりに上げています。ツマミだと2時前後です。このくらいが最も得意かもしれません。
レスポール・バッキング
レスポール・リード
ストラト・バッキング
ストラト・リード
「まさにギターアンプ」というようなタイプの音だと思います。JCのリターンにつなぐよりも個人的にはいい音だと思います。リードもしっかり抜けてくれますね。
 
というわけで、今回は、Hughes & Kettner TUBEMANのレビューでした。このペダルは、やはりレコーディングなどで最も力を発揮するタイプのようですね。JCとの相性が悪いように書いていますが、これはリターンにつないだ場合ですので、INPUTにつなげば「JCの音」の傾向にはなりますが、いい音が出ます。プリアンプとして使う場合には、やはりMIXER OUTからラインで出すか、チューブパワーアンプにつなぐ方がいいように思います。
歪みですが、多少真空管らしい部分はあるものの、基本的にこのペダルの歪みはクリッピングによるエフェクター的な歪みだと思います。キャビネットシミュレータを通ることで、サンプルサウンドのようなアンプライクな音にはなっていますが、「真空管の歪み」を求めるのであれば、やはりアンプしかないのだと思います。しかし、それはやはり自宅ではなかなか難しいですので、こういったレコーディングツールは非常に使えますね。本当かどうかは分かりませんが、スガシカオさんはレコーディングでクリーンサウンドを録るときにこのTUBEMANを使うそうです。実際、CH.1は真空管らしいクリーンサウンドだと思います。
長くなりましたが、このペダルはとても気に入っています。キャビシミュがついているため、今までのようにミキサーのEQで強引にギターアンプっぽくする必要もなくなりました。評価が高いだけあって、いいペダルです。



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