Eventide《イーブンタイド》 TimeFactor |
では、いってみましょう!
最近、フロア型で多機能なディレイが多数リリースされていますが、そんな中でも現時点で最新、かつ最高級といえるペダルが、このEventide TIME FACTORでしょうね。
搭載されるディレイは9種類とルーパー、その操作は多岐にわたり、文章だけで説明すると分かりにくくなってしまうと思うんですが、楽器屋さんによく置いてある「販促用のチラシ(の裏面)」に、たいへん分かりやすくまとめられていましたので、スキャンしてUPしてみました。
←クリックで大きくなります。
これに補足しますと、フットスイッチの役割は、通常ON/OFF、REPEAT、TAP TEMPOとなり、ディレイの種類をルーパーにすると自動的に録音、再生、停止となります。そして、タップテンポ/停止のフットスイッチを長押しするとバンクモードになり、登録したプリセットを呼び出すことができます。
このチラシは、楽器屋さんに行けばもらえると思います。
では、まずはセッティングを見てみましょう。
Fender USA / 52Telecaster ThinLaquer NAT【フェンダーUSA】【テレキャスター】【立川店】【送... |
Eventide《イーブンタイド》 TimeFactor |
Marshall / JVM205C 50W 2ch Full Valve 2×12" Combo【横浜店】【送料無料】【アンプ】【... |
センド/リターンではなく、INPUTの前に接続しています。なのでアンプはクリーンです。
では、レポートいってみます。
- 操作性
操作は大変複雑で、覚えるのが大変ですが、それでも、かなり使いやすくまとまっている方ではないかと思います。プリセット操作はしていませんのでなんともいえません。ペダル下段のノブについては、店員さんも「入荷したばかりでまだぜんぜん触っていない」とのことで、さきほどのチラシを持ってきてくれましたので、それを見ながらやっていました。これは覚えるしかないですが、感覚的にそこまで難しいとは思いませんでした。(ただ、機械がニガテという方は大変かもしれません)
各ノブについては、0〜100単位でのデジタル設定となっており、中央のディスプレイにノブの役割(省略形)と、現在の数値が上の写真のように表示されるので、これはありがたい機能といえますね。
ディレイタイムですが、タップテンポを使うタップモードと、数値で時間を設定するモードがあります。数値で設定する場合、ディレイタイムのノブをまわすと、中央のディスプレイに現在のタイムが表示されます。タップモードでは、右側のフットスイッチでタップテンポを入力すると、それに応じたテンポ(bpm)が表示されます。そしてディレイタイムのノブは音符の分割の表示となります・・・つまり1/4(四分音符)とか、1/8(八分音符)とかですね。これにより、設定したテンポのまま、ディレイのリズムを切り替えることができるわけです。この使い勝手はすばらしいと思いました。
よく、タップテンポを入力したあとでディレイタイムのノブを回すと、ノブ側のディレイタイムに変わってしまうものが多い、というかほとんどなんですが、この機能は是非、他のメーカーさんにも見習ってほしいと思いました。
- サウンドレポート
では、音についてみてみましょう。ディレイのモードについては、そこまで詳しく試していないのもありますので、特に印象にのこったモードについて書きますね。
まず「Digital Delay」モードですが、これはとんでもなく「クリア」と言わざるを得ません。なによりも、おそらくAD/DAコンバータの優秀さが伺えると思います。
2系統のディレイA/Bをブレンドすることが可能なんですが(ここに、例えば「デジタルディレイ」と「リバースディレイ」のように違うものを選ぶことはできません)、この2つのディレイを「ミックスする」というのがこれほど効果的だとは思いませんでした。
たとえば、ディレイAを8分音符、Bを4分音符に設定し、各フィードバックを同じにして、ちょっとミックスをAよりにすると、まず8分音符でディレイを刻んだあと、残りの4分音符でのディレイが聴こえてくる、というようなことが可能です。(擬音にすると、タンタンタンタン、タン、タン・・・みたいな感じです)
これを10ヘッド(!)の「マルチタップモード」に設定してやると、非常に複雑な残響を得るということも可能なわけです。
「テープエコーモード」では、ヒスノイズやディレイタイムを回しての発振、さらに不安定な駆動系によるワウのような効果もシミュレートされています。このワウのような効果は、通常のモジュレーションディレイとはまた違った、「揺れるディレイ」としても使うことが出来て、おもしろいです。
「バンドディレイモード」は、「フリークエンシーモジュレーション」等のフィルタをディレイにかけることができるんですが、これは超変態系サウンドが作れますね。おもちゃの光線銃のような音や、昔のシューティングゲームの「ビーム発射」みたいな音など、特にスペーシーというか、サイバーな音色を作ることができて、個人的にツボでしたw
逆に、ちょっとだけ違うと思ったのが「ヴィンテージディレイ」モードです。いわゆるアナログディレイや、古いデジタルディレイをシミュレートしたモードなんですが、なんというか、そもそもこのペダルの持っているディレイ音がクリアすぎて、特にアナログディレイとしては冷たい感じがするように思いました。店員さんの話では、こういうアナログシミュレートのディレイ音はDamage Control Time Lineが得意としているようですので、そういったサウンドを「多機能ディレイ」に求められる方はそちらの方がいいかもしれません。(もちろん他のディレイサウンドもTime Lineのクオリティは高いそうです。Eventideがクリアすぎるだけでw)
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- 追記:アナログディレイのシミュレートについては、試奏では十分に使い切れていなかった部分もあるようです。もっと細かく設定すれば、暖かみのある音色を作ることもできる、とのことです。
というわけで、今回はEventide TIMEFACTORを試してみました。昨日の「きになるディレイ」には入れていなかったEventideですが、これはむしろ「欲しいディレイ」となってしまいました・・・これは本当にクオリティが高いです。
惜しむらくはUSBの機能が少ないこと!ですね。USBでPC側からプリセットを操作したり、というのはできないようで、内部プログラムのアップデートに使うだけのようです。ですが、普通にペダルとして使う分には最高クラスなのは間違いありません。
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- 追記:USBについてですが、プリセット操作はできないものの、保存は可能だということでした。
正統派から変態系までを網羅したディレイということで、価格はどうしても高いですが、売れるんじゃないかと思います。
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- 既にこのペダルをご購入されたrenkinさんが、コメントに簡単な補足とレビューを書いてくださいましたので、こちらにも転載させていただきます。
まだテスト中ですが、購入しておりますので補填を・・・アナログディレイなんですが、結構な部分まで作りこむ事が可能です。それからUSBですが、プリセットの操作は出来ませんが保存は可能です。
クリアと感じ過ぎる部分は、原音がきっちり出るからだと思われます。そこで、原音とのミックスを調整しつつ・・A/Bのディレイタイムを微妙に変えてぶつける事によってかなり暖かい音に変わりますね。
その他にも下段ノブを使う事によっていけますよ これ。
テープエコーに関しては、テープの新品から使い古しまでのノイズや音揺れ・・そして、ヘッドの完全調整や調整不足によるピッチ変化までシミュレートできます。
他にも基本的な部分で考えられている部分が多く、なるほどと感心して
しまう機能か多いですねぇ。
ついでといっては、あれなんですがTAP機能についても補填しておきますね。これは、Kさんが書かれているようにテンポの設定をリアルタイムに変更できるのですが、別モードに設定するとスイッチを踏んでディレイタイムの変更をする事もできます。
ただし、ディレイタイムを変更する場合はA/B共に同じタイムに変更されてしまうようです。また、プレイモードでしかタップスイッチが使えないのでバンクモードだと困るんです。
その時は、モードチェンジするか外部ペダルを利用する事でどのモードでもタップ機能が使えるようになるようですね。
とのことでした、どの情報も、試奏では分からなかった部分で、しかも「いい情報」ばかりです。renkinさん、ありがとうございました!