以前ケーブルをお借りしたBarbarosssaさんに、今回は同ブランドさんが製作しているエフェクターをお借りしました!
では、さっそく見ていきたいと思います!
Barbarossa URANUS
こちらが、そのUranusです。Uranusとはギリシア語で「天」を意味し、夜空の神の名前でもあるそうです。
見ていただくと分かると思いますが、Ibanez TS808のモディファイですね。ジャック、スイッチ、ノブ、LEDを取り替え、外装を高級感のある塗装に変更、そして回路面でも変更がなされており、また回路上の各パーツにはブランド、Barbarossaを持つNewtoolさんの技術でクライオ処理がなされたものとなっています。
ちなみに、クライオ処理ってどういうことをするのか(冷やすというのは分かりますがw)よく知らなかったのでBarbarossaさんに質問してみたところ、けっこう大変なものだと言うことがわかりましたw
端的に言えば、厳密な温度管理の下で、いろいろな種類の「温度変化」を与えることで、金属の表面安定を図るもの、という感じなんですが、そのクライオ処理もそれを行う会社によって効果が変わってきたり、歴史的には海底油田探査のデータ取りケーブルなどの話が出たり、なんだかおおがかりなもののようです。
クライオ処理が音に影響を与えると言うことは、オーディオ用のケーブル界ではすでに常識になっていますが(15年以上の歴史があるようです)、それを楽器業界に持ち込んでいこう、というのが今後の課題、というようですね。要するに冷やすってことだと思っていましたが、その冷やし方にもいろいろあるんだ、ということを教えていただきました。
音にどれだけ影響するのか、という点については、単に「良くなる」といわれてもよく分からないので、そのあたりについて目に見える形での検証や実験などをやって欲しいなぁ、個人的にはと思います。クライオ処理によって音がどういう方向に変わるのか、ということが一般的に知れ渡れば、ユーザー側としては好みによって選択することができるのでありがたいと思います。
さて、URANUSですね。今回、中身公開はできないということで、電池ボックス部の写真だけ、UPさせていただきます。
裏蓋も特殊なネジに変わっていて開けることができませんでしたので、この配線が通っている穴をちょっとのぞいてみたんですが、スイッチクラフトのジャックと、オリジナルTS808とは全く違うパーツ類が確認できました。ちなみに、裏蓋はドライバーを買ってくれば開けることもできることはできると思うんですが、「開けたら保証対象外」となってしまうそうです。元の値段が値段だけに、恐ろしいw
では、レビューの方いってみたいと思います。
- 操作性
各ノブの配置は、オリジナル同様左からOVERDRIVE、TONE、LEVELとなっています。各ノブに名前は付けられていませんが、まぁこのペダルを買われる方ならTS808のノブ配置くらいはおそらくご存知のことと思いますので、問題はなさそうです。
こういう特殊な塗装って弱いことがあるんですが、(高価な物なので丁重に扱いましたが)このペダルは塗装もしっかりしている感じでした。このクラスのペダルになってくると、音だけでなく見た目もとても大事ですので、そのあたりがしっかりしているのはさすがだと思いました。
- サウンドレポート
というわけで、サウンドです。先に書いておきますと、Barbarossaさんのペダルは全て、フルチューブアンプを大音量で鳴らしたときに性能が最大限に発揮できるようチューニングがなされているそうで、実際製作環境においても、マーシャルやレクチ、Dr.ZやBRUNO、ヴィンテージプレキシ、÷13等といったアンプを使われています。ですので、今回、私のHughes&Kettner TUBEMAN-2からのライン録り環境でどのくらい性能を発揮できるのか、大変不安でした。その点はBarbarossaさんにもお伝えしたんですが、とにかく弾いてみて欲しいということで、今回レビューをお引き受けさせていただきました。
というわけでサウンドですが、TS808のモディファイですので、やはり基本的なサウンドはTS系となっています。ゲイン幅はオリジナルよりも若干広くなっていますね。そしてなによりも周波数レンジが圧倒的に広げられており、各弦への反応性というか・・・和音ひとつひとつの粒がしっかりしていて、それでいて堅いわけではなく、TS独特のスムーズさはさらに突き詰められている、といった感じですね。
TS808って、中域が押し出されすぎて他の帯域がちょっと引っ込むような感じがあったんですが、URANUSでは中域の押し出しはそのまま、さらに全帯域がしっかりと聞こえてくるペダルだと思います。
なによりもやはり、音抜けと音の粒の存在感が特筆モノで、ピッキングの強弱への反応性ももちろんいいんですが、それを気にすることもなく何も考えずに弾いても、アルペジオ、和音のバッキング、ソロと自然と最良の形で音がでてくれるという印象でした。
特にオーバードライブをかけたままのアルペジオって、ピッキングやヴォリューム、もしくはペダルのセッティング等を変えずにバッキングやソロと同じように弾いてしまうと歪み成分が重なってわけがわからなくなってしまうことがあるんですが、URANUSのもつ音の粒の存在感だと、全くきにしなくてもちゃんとアルペジオがアルペジオとして聞こえてくれます。
あまり参考にならないかもしれませんが、一応サンプルを録ってみました。
サンプルサウンド
(今まで使っていたサーバー容量がいっぱいになってしまったので、別のサーバーを使っています。設定が変わったので、一部アクセスできない方がおられる可能性があります。)
URANUSはOVERDRIVEはフルテン(フルゲイン)で、他全てのノブが12時、ギターはVOL、TONEともフルテンで、ピッキングの強さは最初から最後までまったく変えていません。さらに、バッキングの上にソロを重ねていますが、バッキングとソロでのセッティングはもちろん、ミキサーのフェーダーの位置まで同じにしてあります。
うちの環境ですと、プリアンプやギターよりもお借りしたペダルの方が高価、というちょっといびつな感じでしたので、サウンドそのものはおそらくあまり参考にならないかと思いますが、なによりこの音の粒の存在感だけでも感じていただけたら、と思います。
実際のサウンドは、こちらのお店さんや神戸のTONE BLUEさんにて試すことができる、と思います。
というわけで、今回のエフェクト世界紀行はBarbarossa URANUSのレビューでした。こんな高価なペダルを貸していただいたBarbarossaさん、ありがとうございました!