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Z.VEX DistorTRON
こちらが、Distortronです。写真はZ.Vex公式より。このように、ペダルの奥側に大きく「ZVEX」と書かれていて、なかなかいい雰囲気になっていました。
コントロールはVOL、TONE、DRIVEと、3段階のSubスイッチ（ローカットスイッチ）、2モードのGainスイッチとなっています。DRIVEコントロールにはZVEX The Box of RockやSuper Hard Onにも書かれていた「Crackle Okay」の文字が入ります。これは、「回すと少しガサガサいうけど正常だよ」ということを示しているようです。
すでにご存知の方も多いと思いますが、このペダルは、基本的にはBox Of Rockのブースター回路を無くし、低域カットスイッチとゲインアップスイッチを搭載したディストーションペダルです。Subスイッチは1、2、3のモードがあり、1が最も低域が弱く、2、3のモードに行くにしたがって低域が強くなります。3モードでオリジナルBox Of Rockと同等の低域です。ゲインアップスイッチは、LoモードでBORと同等のゲイン、HiモードでBORのブースターをONにしたときと同じくらいのゲインが得られるように作られているそうです。
では、まずセッティングを見てみましょう。
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Roland JC-120
という形の、最もシンプルなセッティングとなりました。レスポールにしたのは、私が自分のBORを弾くときはレスポールを良く使っていたからです。では、レポートいきます。
- 操作性
基本的に問題無いと思います。Subスイッチのモードは予備知識があった方が分かりやすいかも知れませんが、弾けばだいたい分かると思います。Z.Vexらしく、MXRサイズを横置きにしたタイプのペダルなので、ライブ等で勢いよく踏むとノブに当たる可能性はあります。これは全てのZ.Vexペダルに言えることですけどねw
ミニスイッチはノブの間で、左右に動かすタイプなので、おそらくON/OFFでモードが変わってしまうと言うことはあまりないのではないかと思いますね。各コントロールは役割がしっかりと分けられているので、音作りはとてもやりやすいタイプと言えそうです。
- サウンドレポート
最初に書いておきます。このペダル、ディストーションの括りに入れていますが、非常にオーバードライブ寄りなペダルだと思います。マーシャル系なオーバードライブだと考えて試されるのがいいと思います。
では、音の方を。まずはSubモード3、ローゲインのBORと同等のモードで弾いてみます。BOR独特の太い低域とやわらかな歪みは健在ですね。ただ少し、このセッティングだとオリジナルBORよりもちょっとだけ音が軽いような雰囲気がある気がしました。音の方向性は全く同じです。
続いて、Subスイッチをいじってみます。このSubスイッチ、モードの並びが左から213となっているので、普通は1モードで音を作っていき、低域を補いたい場合に2、3とすると使いやすいように作られていますね。私の場合はBORを持っていたので、まず3モードから試しましたが、普通は1から試すとやりやすいと思います。
しかしこのモード切替、きれいに低域が増減するのでおもしろいです。非常に分かりやすい切替だと思います。例えばレスポールのときは1モード、テレキャスのときは3モード、みたいな使い分けもできますね。各コントロールの効きは、そこまで幅広くはありませんがノブの動きにリニアに反応して音が変わるのでとても使いやすいと思います。
そして、ハイゲインモードにしてみます。このモード、確かにゲインは上がりますが、例えば「鋭いディストーションサウンド」になるかというとそういうわけではありませんね。むしろ、ハイゲインモードでGainを下げると、ローゲインモードの同等のゲインの時よりも倍音が非常に豊かになり、ピッキングやヴォリュームへの反応性も増します。イメージとしては･･･そうですね、ローゲインモードとハイゲインモードの違いは、単純にゲインが上がったということよりも、「上質なクリーンブースターを通したような」変化をするように思いました。ハイゲインモードはBORのブーストON時のサウンドとなるようなモードということで、たぶんこれは･･･Z.Vexの「狙い通り」なんじゃないかな、と思ったりしますw
ですが、このハイゲインモードの倍音の豊かさや反応性は、BORのブースターON時を上回っているような感じがしました。低域カットスイッチとあいまって、より倍音が強調されて聞こえるというのもあるかと思います。
こういうと誤解されるかもしれませんが･･･Box Of Rockはハンドメイドで作られた、制作者さんのクセが強く出たペダルで、Distortronはより幅広いプレイヤーさんに対して作られた、定番的なペダルとなっている、という感じがします。ペダルの見た目や価格もそういう方向性を向いているので、おそらく音も同じような方向性を付けたのかな、と推測しています。このペダルはBORの廉価版ではなく、「BORと似た音も出せる定番エフェクター」と考えるのがいいように思います。BORでしか出せない音もありますし、Distortronでしか出せない音もありますね。いいペダルです。
というわけで、Z.VEX DistorTRONのレポートでした。特にメイン歪みとして非常に使いやすいペダルだと思います。是非試してみてください！
