オクターヴファズの本家といえば、ジミ・ヘンドリクスの足下にあったOctavioなどの、「オクタヴィア」が最も有名だと思いますが、それとほぼ同時期に、日本で作られたオクターヴファズの元祖、Shin-Ei SUPER FUZZもまた、非常に有名なペダルです。
どちらかがどちらかを参考にした、というものではなく、偶然ほぼ同時期に違う場所で作られたオクターヴファズ・・・今回はSuper Fuzzの系譜の一つ、アメリカで販売されていたUnivox Super Fuzzを復刻した、Wattson Classic Electronics Fuzzのレビューをしてみたいと思います。
では、いってみましょう!
Wattson Classic Electronics Fuzz
こちらが、Wattsonの「Fuzz」です。発売当初はそのままの「Super Fuzz」という名称でしたが、紆余曲折を経て、名前が変わって「Fuzz」となりました。回路やパーツは変わっていませんw
このヴィンテージ感あふれるルックスは、右の写真の、Univox Super Fuzzの筐体を模したものとなっています。Univoxは、Shin-Eiの海外販売時のブランド名、と言われていて(このあたりはHoneyとかいろんなブランド名があってややこしいですw)、Super FuzzはUnivoxペダルの中でも特に人気の高かったモデルだそうですね。
実際、Super FuzzはWattson Classic Electronics以外にも多数のブランドがそれぞれのエッセンスを加えながら再現していて、ざっと挙げるだけでもBlack Cat Super FuzzやVooDoo Lab Superfuzz、Katanasound 噴火、Guyatone TZm5、MJM GUITAR FX CHINA FUZZ・・・といった具合に、メーカーの大小を問わず作られています。
そんなSuper Fuzzですが、このWattsonのFUZZは特に、外観までほぼ復活させてしまったというところが気に入って、買ってみました。(Octaviaと並べたかったというのもあったりw)
コントロールは、オリジナルと同様、BALANCE(Volume)とEXPANDER(Gain)となっていて、2モードのTONE切替えスイッチが搭載されています。また、内部にゲインを微調整するトリマも搭載されています。
オリジナルと違う点もあります。例えば・・・
DC Inputや・・・
電池BOX、他にもON/OFFを表示するLED、といった感じで、より使いやすさをUPさせる工夫が取り入れられています。
筐体を開けてみると
こんな感じで、昔のエフェクター同様、内部には空間が多めに使われています。
基板は
こんな感じです。特にヴィンテージパーツ、というわけではないんですが、なぜか古くささを感じる基板ですね。
写真はこんなところでしょうか。では、レビューいってみましょう!
- 操作性
まずは操作性について。古いペダルを復刻していることもあり、使いにくさを感じるかというと、意外とそんなことはありませんね。BalanceとExpanderという独特なコントロール名がそれぞれ何を示すのかさえ覚えてしまえば、使いにくいと感じる部分は全くないと言ってもいいと思います。DC INPUTやON/OFFのLED、そして電池ボックスを採用したのは、まさにファインプレーですね。
- サウンドレポート
では、音の方を・・・
いつも通り、ストラトとGVA Customを使っての録音です。全てのサンプルで、FuzzのセッティングはBALANCE、EXPANDER共にフルアップです。
サンプル1
まずはリアPU、フルアップで適当に弾いてみました。TONEは1モードです。
サンプル2
サンプル1と同じく、TONE1モードで、フロントPUのトーンを絞って、オクターブ音を大きめに出しています。どこかで聞いたことのある曲っぽいのはたぶん気のせいww
サンプル3
続いて、今度はリアPUでギターのヴォリュームを7くらいにしてローフレットのアルペジオをやってみました。リアPU+ローフレットという、オクターブ音があまり出にくいセッティングではあるんですが、強力なオクターブ音が出ているのが分かると思います。これもTONEは1モードです。
ここで、TONEのモードを2にして、いろいろ録ろう!と思ったんですが、気づいたらかなり遅い時間になってしまっていて、あまりいろいろと録ることができなくなってしまいました。なので、TONE 2のモードのサンプルは1つだけです。
サンプル4
バッキング、リード共にリアPUフルアップでのサウンドです。音があまりにもハマったので、これを弾いてみましたwww
レイジングストーム出したい。
・・・というわけで、サンプルはこんな感じです。
とにかく圧倒的というか、他のペダルでは聞くことのできないような圧巻の轟音が特徴のペダルですね。乾いた砂漠地帯を爆走する大型バイクというか・・・そんなイメージが浮かぶような音だと思います。
TONE1は中域が強めのバリバリとしたサウンドで、TONE2ではゴリゴリのドンシャリサウンドになります。音は違いますが、和音での圧迫感を感じるほどの迫力はどちらのモードでも感じることができます。
そして、全体的に音が乾いたような印象ですね。Octaviaだと、もっと湿り気のあるトーンというか、やわらかい肌触りになるんですが、こちらはザラザラと、そしてトゲトゲとした、非常に強い音、そして身を削るような音が特徴だと思います。
しかし、弾いていてなぜか気持ちよさを感じるのも事実です。オーバードライブやディストーションとはまた違った、ファズならではの気持ちよさというか・・・ずっと弾いていたい気持ちになれるペダルです。
そうそう、基本的に昔のペダルを復刻しているので、ノブは最近のエフェクターと比較すると少し効きずらいと感じることがあるかもしれません。でもまぁ、それもまた、ファズの味の一つかと思います。
それにしても、こういう古くさいペダルって何故こんなに惹かれるんでしょうね。私は、このWattson Fuzzや、Fender Blenderの、どこか「昭和」っぽいデザインって好きですw
レトロでノスタルジック、しかし音は今も通用する、というところが、とてもいいですね。お気に入りです!
【正規輸入品】【即納可能】Wattson Classic Electronics Fuzz FY-6 |