Vintage Pedal Workshop日本上陸！ Part2 〜Tone Bender直系モデルクローンペダル〜

先日ご紹介した、元JMIのエンジニアが興したVintage Pedal Workshop（VPW)、ラインナップの残りのモデルが出てきましたのでご紹介します。
別に意図したわけではありませんが、前回ご紹介したのは本家本元のGary Hurst/Sola Sound/Color Soundが製造に関わっていなかったモデルのクローンで、今回は全て、本家Tone Benderの系列モデルのクローンということになります。さっそく、見てみましょう！

VPW MkI Tone Bender

ファズ VPW MkI Tone Bender [送料無料!]【smtb-TK】 価格：46,800円（税込、送料込）

こちらは、Gary Hurstが制作し、Sola Soundが65年に発売した、Tone Bender MkI（メタルケース）を元にクローンしたというペダルです。巨大なケースはもちろん、基板上のパーツの位置まで完全にコピーしています。初段のトランジスタが、2G381をOC75に変更され、よりノイズを減らした形になっているそうです。
サンプルムービー
Mk1のクローン系ペダルって弾いたことがないんですが、どうもいくつかの動画を見てると個人的に一番好みのTone Benderな気がしてしまいます。是非そのうち何か、弾いてみたいと思います。

VPW Mk1.5 Tone Bender

ファズ VPW Mk1.5 Tone Bender [送料無料!]【smtb-TK】 価格：46,800円（税込、送料込）

歴代のTone Benderの中では、最もシンプルな回路を持ち、控えめな歪みの代わりにセンシティブさが強化されたモデル、それがMk1.5です。今ではMk1.5という呼称は一般的になっていますが、オリジナルモデルはただ「Tone Bender」と書かれていただけでした。オリジナルMk.Iの発売が65年、そして65年にはすでに発売を終えています。つまり1年以内の期間しか発売されなかったわけですね。そしてその後66年になり、Mk.IIが発売されるんですが、その間の少しの間に販売された、Mk.IともIIとも違う回路のTone Benderが、後にMk1.5と呼ばれるようになったということのようです。Mk1.5の名前を広めたのはあのD*A*Mのデビット・アンドリュー・メインさんだそうですね。Fuzz FaceやBig Muffと比べ、Tone BenderのMk1や1.5を使っているアーティストが極端に少ないのは、単に数が少なかったからということだと分かります。
で、このMk1.5、回路は後に発売されることになるFuzz Faceと同じです。どっちがマネだなんだと言うつもりはありませんが、Mk.1を発展させて作られた1つの形がMk1.5だったということを考えると、最初のFuzz Faceが作られたとき、このMk1.5を参考にしたか、もしくはMk.1を参考に、Gary Hurstが考えた発展系と同じ結論に達して、Fuzz Faceが制作されたという可能性もどこかにあるかもしれません。当時非常に狭い世界でしたから、公式に何らかの連絡を取ったりしたことがあった、ということすら考えられますが、それらの考察というか、想像はふくらみ出すと止まらないので･･･ｗ ただ、このペダルの回路はFuzz Faceと同じ回路を持っている、ということだけは事実です。

VPW MkII Tone Bender

ファズ VPW MkII Tone Bender [送料無料!]【smtb-TK】 価格：46,800円（税込、送料込）

1966年に発売された、Tone Bender史上最も有名なモデル、Mk.IIのクローンモデルです。1968年ごろまで発売されていたようです。外観はVoxが発売していたモデルと近いですが、中身はSola Sound製Tone Bender Professional MkIIのクローンとなっているようです。
何故一番有名なのか、というと、ジミー・ペイジとジェフ・ベックが使ったから、というのが最大の要因だと思いますが、「見たことのある」Tone Benderの中で最も古いモデルだから、というのもありそうです。MkIとMk1.5はとにかく発売期間が短いため、そもそもがプロトタイプ的な受け止め方をされていて、正式に製品化されたのがこれ、と思われることもこともあったのかもしれませんね。

VPW Supa Fuzz

ファズ VPW Supafuzz [送料無料!]【smtb-TK】 価格：46,800円（税込、送料込）

続いてはこちら。こちらはMarshallブランドで発売されていたSupa Fuzzをクローンしたモデルです。オリジナルモデルは1967年発売で、70年代の中頃まで作られていたようです。中身は、Sola SoundによるOEMで、Tone Bender MkIIと同じです。VOX製のモデルが有名ですが、Marshallも実はTone Benderを売っていたんですね。80年代につくられたGuv'norが初めてのマーシャルエフェクターと言われることもありますが、おそらくこのSupa Fuzzこそ、Marhsallブランド初のエフェクターだと思います。同時にSupa Wahというワウペダルも発売されていました。
サンプルムービー

VPW Fuzz Sound MkIII

ファズ VPW Fuzz Sound MkIII [送料無料!]【smtb-TK】 価格：46,800円（税込、送料込）

こちらは、1968年に発売されたSola Sound Tone Bender MkIII、のOEMモデル、Park Fuzz Soundのクローンペダルです。オリジナルモデルと似た風合いの筐体ですが、オリジナルはもっと細長くて丸みを帯びていたようですね。Parkというブランドに関しては、調べたんですがどうもよく分かりませんでした。OEM専門に作られたブランドだったのかもしれません。
Tone BenderはMkIIIになってからノブが3つになります。Toneコントロールの追加です。また、Mk.IIまでのTone Benderは全てGary Hurstデザインだったのに対し、Mk.IIIからは別の人が設計したと言われています。筐体の雰囲気もがらっと変わり、ついでに70年にはブランド名もSola SoundからColor Soundに変更されました。
サンプルムービー
　
というわけで、VPWのTone Bender直系（OEM含む）のクローンモデルを見てきました。
Tone Bender系列のペダル、最近なんだか増えてきておもしろいです。Fuzz FaceやBig Muffよりも混沌とした歴史を連ねてきたTone Bender。ハマるかたがおられるのも非常によく分かります。
　
人気blogランキングへ