きになるおもちゃ -ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト-

ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト


きにおも@Twitter
Facebookアカウント
instagramアカウント
Line@アカウント
きになるおもちゃ@Lineブログ

がっきや速報
楽器店のセール情報や限定特価品をまとめてみます

ボカロ曲

リンク切れ等がございましたら、メールかコメントに書いていただくと助かります



きになるリスト(ニコニコ動画) Youtubeチャンネル Instagram

当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

BOSSエフェクターを考える VOL.2

前回からかなり時間が空いてしまいましたが、BOSSエフェクターについて見ていくこのシリーズ、第二弾をやりたいと思います。
ではいきましょう!
さて、前回はBOSSエフェクターの「COMPACT Series」の筐体の特徴などを書きましたが、今回はそのCOMPACT Seriesのサウンドと機能性について書いてみたいと思います。つまり、中身についてですね。
BOSSのコンパクトは、その価格設定とサウンド、機能の充実から、現代では初心者から上級者、プロの方まで使える定番エフェクトとなっています。そんなBOSSエフェクトのサウンドと機能は、やはりとてもよく考えられて作られていることが多いように思います。その部分について書いていこうと思いますが、個人的にBOSSコンパクトは大きく「2種類の空気」を持っているように思います。それは「歪み系」と「その他」で特に違いがあると感じます。というわけで、まず今回はBOSS歪み系コンパクトについて、見ていこうと思います。

BOSSの歪み系エフェクトといえば、現代の若いギタリストにとって、「まず最初に通るエフェクター」という方も多いと思います。もちろん、ARIONやBehringer、Tony Smithといった「激安エフェクター」が増えてきているので、そうでないという方もおられると思いますが、そういう方ものちのち結局BOSSの歪みを買われることが多いのでは、と思います。それを裏付けるかのように、BOSSの最多生産量を誇るペダルは、DS-1MT-2がトップを争っています。BOSSで最多生産数ということは、世界中の全エフェクターの中でもほぼ確実にトップ10には入ってくるほどの売れ行きだと思います。基本的に赤〜黄色を基調としたカラーリングを纏いお店でもぱっと目に付くというのもヒットの一因だと思います(あとメタル系は黒、FUZZは銀、ブルースは青ですね)。
そんなBOSSの歪み系コンパクト、これを書いている現在12種類が現役で、過去も含めれば25種類というラインナップがありますが、まず大きく、「デジタル」と「アナログ」の2つに分けてみていくことができると思います。

  • デジタル歪み系

BOSS、というかROLANDという会社がそうなのだと思いますが、基本的に新しいもの好きなところがあって、「モデリング」という技術をいち早く取り入れたり、MIDIの規格提唱に参加してみたりとなかなかの活動家(?)としても知られています。そんなBOSSは、最近「デジタルエフェクト」に力を入れていて、今年(2007年)初頭に発売され話題を呼んだ3種類の歪み系はすべてデジタルエフェクトでした。発売前の期待が高すぎたこともあってか、最近はすこし沈静化しているようにも思いますが、それでも、「使えるペダル」としての評価はきちんとなされていると思います。歪み系のコンパクトにデジタル回路が入ってきたのは、1988年、まだ「デジタル」という響き自体がかっこよかったころに発売された「MZ-2 Digital Metalizer」でした。といっても、このペダルはDS-2を基調としたアナログの歪み回路にデジタルのモジュレーション機能をもつディレイを搭載したものでしたので、実質的にコンパクトで「デジタルの歪み系」は今のところ今年発売された3種類のみ、ということになります。
さて、ではことし発売された3種類のデジタルエフェクトですが、共通するのはどれも「デジタルの利点をうまく使った」ということにあります。DN-2は「ピッキングニュアンスの反応性」、ML-2は「ハイゲインでも芯のある歪み」、そしてFZ-5は「クラシックな定番ファズ」でしたね。
これら3種類のペダルは、まさに現代の「歪み系デジタルエフェクト」の特徴を非常によく現したモデルだと思います。今、歪み系でデジタルエフェクトといえば、BOSSのCOSMやLINE6をはじめとする「モデリング」という技術が全盛を迎えています。まさにFZ-5はモデリングエフェクターですね。古くからの「伝説」とよばれる機材、それを手に入れるには多大な投資や難しいメンテナンスが必要となるような、そんな機材の持つ音を、その機材に使われる部品の動きをひとつひとつ数値化することで、それに近い音を作り出そうというのがこの「モデリング」です。これはメンテナンスフリーであったり予算などを考えても大きな利点ですね。

空間系等のエフェクターは、基本的に音の記憶や波形の処理がメインなので、アナログよりもデジタルで作る方が簡単だといえるのですが、歪み系は長らく、デジタルで作るのが難しいとされています。ある入力に対して画一的な反応を示すことが目的とされる空間系等に対し、歪み系は同じ入力でも違った反応を見せることが「リアリティ」として評価されるからです。これは、歪みというのがもともとが限界を超えた動作による不安定な状態で作り出されることが原因なのですが、こういった処理はデジタルは苦手です。最近のモデリング技術はすばらしく、たしかに「ヴィンテージライク」な音を手軽に出すことができますが、そこに漂う「偽者感」は、そういった画一されたデジタル処理によるリアリティのなさが大きな原因だと思います。これについては今後の技術に期待ですね。
ほかにもデジタルの利点というのはあって、もちろん小予算で大きな効果が得られる「モデリング」のほかにも、アナログだと多くのパーツが必要となる回路を、小さくまとめることがでいる、というのもあります。ML-2やDN-2はどちらかというとこの利点を生かしたペダルですね。メタルやヘヴィネス系のハイゲインなサウンドは、歪み系としては珍しく「デジタルが有利」とされている歪みです。ハイゲインサウンドに求められるものといえば、重たい低域であったりザクザクと刻むミュートプレイであったりと、いろいろありますが、その中で最も大事なのは「ノイズが少ないこと」だと思います。ノイズは、元の音を増幅するときに最も発生しやすく、また多くのパーツを通ることでも出てしまうのです。基本的にインピーダンスが低く、またいいパーツを使っている高価なハイゲイン系アンプはともかく、インピーダンスの高い信号を加工するギターエフェクターではそれはより顕著となってきます。ML-2では、それらをデジタル処理することによって部品の数を減らし、またノイズ除去や図太い低域、というデジタルが得意とするフィルタリング、という利点を生かしたモデルだといえます。次にDN-2ですが、これは元々アンプなんですよね。Roland CUBEシリーズに搭載された「DYNA AMP」というアンプ回路をエフェクター用に加工したのがDN-2なのですが、ここでもデジタルの「柔軟性」が利点として使われています。アンプはアナログだと小さな出力のものでもそれなりの部品点数が必要ですし、BOSSのコンパクトサイズに収まるような基板をもつアナログのアンプはほとんどないと思いますが、これがデジタルだとまた違ってきて、チップ一つで様々な処理を行うことができるデジタルだからこそ、アンプ回路を少し変えた程度でコンパクトエフェクターにすることができたわけです。DN-2の正確な内部処理は知りませんが、どうやら「入力レベルに応じた歪み量の変化」を行うことで、ピッキングニュアンスをうまく再現しているようです。この価格帯ではおそらく、最も反応のいいペダルがこのDN-2ではないでしょうか。このように、まだまだこれから、という部分はあるにせよ、デジタルの利点を理解し、うまく使っているのがBOSSのデジタル歪み系の特徴といえます。当たり前のことだ、と思われるかもしれませんが、こういった「部品の利点を理解してうまく使う」というのは、BOSSエフェクター全体に言えることです。BOSSの技術力の高さゆえ、「新しいもの好き」とも思えるような最新技術を使った機材を作ることができるわけですね。

  • アナログ歪み系

では、BOSSのアナログ回路による歪み系ペダルを見ていきたいと思います。1977年、PH-1とOD-1の発売以来、30年の伝統をもつBOSSコンパクトシリーズの歴史には、常にアナログの歪み系がラインナップされてきました。
そんなBOSSの歪み系コンパクトの特徴といえば、やはり「シンプルである」ことが挙げられると思います。BOSSのエフェクターといえば、「多機能」というイメージがあるんですよね。ところが、歪み系のコンパクトに関して言えば、「多機能」といえるのは先ほども名前が出た「MZ-2 Digital Metalizer」と、「SD-2 Dual Overdrive」くらいのものです。MT-2は確かに2軸ポットによるツマミの数は印象的ですが、言ってしまえばTONEコントロールが独特の「中域だけパライコ」な3バンドEQに変わっただけのもので、高機能ですが多機能とはいえないと思います。歪み系の機能としては、近年のLandgraffに端を発する3モードのドライブに代表されるクリッピング切り替えや、ハイエンドなハンドメイドドライブによくある内部トリマを使って微調整を行うようなペダルの方がよほど多機能だといえると思います。BOSSの場合、歪み系はあっても2モードまで(FZ-2とデジタルのFZ-5だけが3モード)がほとんどで、搭載されるコントロールも、LEVEL、TONE(またはEQ)、DRIVEと基本的なものばかりです。これは「多機能」なMZ-2やSD-2においても同様ですね。これは大変重要なことだと思います。コントロールがシンプルであるというのは、まず初心者さんにとって「扱いやすい」という意味でとっつきやすく、選ばれやすいペダルであることがいえます。しかし、シンプルながら回路を完全に理解し、ポイントを抑えたコントロールが搭載されているので奥が深く、これが上級者の方にも使われる要因となっているのではないでしょうか。
次に、BOSSのエフェクター全体にいえることですが、特徴として「オリジナリティ」が挙げられます。特に「目的は歪ませる」というだけの歪み系エフェクターでこれだけのラインナップを持ち、それでいて「似ている音」は兄弟機ともいえるOD-1とSD-1を除けば皆無、全てに「分かりやすい違い」があるというのは驚異的だと思います。実際、現在売られているコンパクト歪み系12種類、ベース用ODB-3を除く11種類のキャラクターの違いは、多くのエフェクター好きなギタリストの方が即座に言えるほどではないかと思います。
ところが、別の見方をすれば、BOSSエフェクターには「共通の音」があるのもまた事実だと思います。BOSSエフェクターを知っていて、また他社のペダルも使う方ならばお分かりだと思いますが、BOSSのペダルには、どこか「平均化」というか、「大衆向け」的な香りのある「BOSSの音」がありますよね。よく言えば使いやすい、悪く言えば個性がない、ともいえるようなBOSSの音は、特に初心者の方がある程度経験をつまれたころに嫌になってくる部分だと思います。よく言われる「歪みエフェクターの遍歴」のようなものがあって、まずBOSSに始まり、BOSSが嫌になってハイエンドなハンドメイドペダルに移っていき、またBOSSに戻ってくるといいます。これは面白いほど多くの方に当てはまるようで、私はこれを2周くらいしましたw
この「BOSSの音」は、もちろんBOSSのサウンドチェックをされる方の好みなどもあるのだと思いますが、私はBOSSペダルに共通するバッファアンプが原因の一つではないかと思っています。ご存知の方は多いと思いますが、BOSSペダルは電子スイッチで、そのスイッチ部の回路を通るんですよね。当然ながら、この価格帯のペダルですから、よほどの弊害がない限り、回路の共通化を行っているはずです。バッファアンプが弊害になることって思いつきませんので、実際回路は共通なんだと思います。バッファアンプは、主にインピーダンスを下げるのが目的となりますが、当然、音は変わります。このバッファアンプのもつ特性が、「BOSS独特の音」を作り出しているのではないかと思うのです。これだけキャラクターや回路の違うペダルから同じ香りの音がする、というのは、個人でやっておられるハンドメイド系ペダルでもなければ考えにくいことだと思います。ただ、BOSSの技術力は高く、当然、これだけ言われる「BOSSの音」はBOSSのエンジニアさんも理解していると思います。そう考えると、コンパクトで使われるバッファを通らないGTシリーズのようなマルチエフェクターでも「BOSSの音」を味付けることもできるわけで、今ではもしかするとわざとやっているのでは、という考えも浮かびますね。
というわけで、アナログの歪み系ペダルは、まず「操作系がシンプルであること」、そして「分かりやすいキャラクターを持っていること」が特徴として挙げられると思います。そして、これはさきほどのデジタルのものにも共通するので、BOSSの歪み系全体の特徴と考えられるのではないでしょうか。
そしてこれらはそのまま、BOSSが支持される要因になっているのだと思います。「一度廃盤にしたものは絶対再販しない」という部分に表されるような、BOSSの厳しい社風も、多くの方が安心して使うことができるという点で大事だと思います。
 
BOSSの歪みエフェクターの魅力、それは伝統だけにとどまらず、「BOSSの音」にあらわされるような固有のキャラクター、それと相反するようなペダルごとの分かりやすい「キャラクターの違い」、使いやすい「シンプルさ」、そして、「オリジナリティ」、そういった多数の特徴が合わさることで生まれてくるのだと思います。こんな会社が日本にあるというのは、素晴らしいな、と思いますね。
次回は、空間系などの歪み系以外のBOSSコンパクトシリーズの特徴を書きたいと思います。



にほんブログ村 音楽ブログへ
免責:
紹介している商品のリンク先の販売店、およびメーカーと管理人は関係ありません。
仮に御購入の際になんらかのトラブルがおきましても管理人は責任を負いかねます。
当サイトは楽天アフィリエイト、Amazon.co.jp アソシエイト、Yahoo!アフィリエイト、アクセストレード、A8.net、リンクシェア、Google Adsence、iTunesのリンクを使用しています。
また、当サイトと同じ改造を行って何らかの問題が発生した場合も責任は負いかねます。ご了承ください。
Privacy Policy