きになるおもちゃ -ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト-

ギター・エフェクター・アンプ・DTM関連の情報サイト


きにおも@Twitter
Facebookアカウント
instagramアカウント
Line@アカウント
きになるおもちゃ@Lineブログ

がっきや速報
楽器店のセール情報や限定特価品をまとめてみます

ボカロ曲

リンク切れ等がございましたら、メールかコメントに書いていただくと助かります



きになるリスト(ニコニコ動画) Youtubeチャンネル Instagram

当サイトの内容を説明文等に使用している楽器店さんがあるようですが、一切関係がありません。

ギター用エフェクター ディレイ基礎編 〜TAPE ECHO〜

なんか久々になってしまいました。エフェクター基礎編、ディレイ編もようやく、まもなくフィナーレというところまできました。これまでもなんどか書いている通り、ディレイには大きく分けて3種類あります。もういうまでもないでしょうか・・・アナログディレイ、デジタルディレイ、そしてテープエコーですね。
今回はそのテープエコーが主役となります。
では、いってみましょうか!

  • 仕組み

では、さっそくテープエコーの仕組みを見てみましょう。
まず、テープエコーですが、基本となる仕組みとしては、言ってしまえば録音、再生ができるカセットデッキと変わりません。つまり、ギターの入力をテープに「録音」し、次にディレイ音を「再生」するわけですね。
さて、カセットテープやそれと同様の構造をもつ「磁気テープ」は、録音や再生、消去の際に「ヘッド」というものを使います。録音時には録音ヘッドからテープにデータを書き込み、再生時には再生ヘッドからデータを読み込むわけですね。
それを応用して作られたのが、テープエコーです。


─・・・テープ
・・・録音ヘッド
・・・再生ヘッド
・・・消去ヘッド
 

単純に書くと、テープエコーはこのような形になっています。テープはモーターで動かして再生するわけですが、当然その「テープの動く速度」ってありますよね。「録音ヘッド」から「再生ヘッド」までの距離を、そのテープが移動する時間・・・それが「ディレイタイム」となるわけです。
図のテープエコーの場合、再生ヘッドが5つありますよね。これが、いわゆる「マルチヘッドディレイ」ということになるわけです。テープスピードの調整と、再生ヘッドを選択することで、1度の入力で5回のフィードバックを得ることもできますし、一番遠いヘッドのみを使ってロングディレイを得ることもできますね。

  • BBD?TAPE?

さて、テープエコーですが、テープというのはなかなか厄介なものでして、すでにご存知のとおり、「ヘッド」を使ってデータの読み書きを行うメディアですね。ということは、物理的に「すりへる」わけです。しかもけっこうなテンションをかけて「ピンと張っている」わけでして、「伸びる」という現象もおこります。さらにモーターを使って再生するわけですが、そこにノイズが入ることはもちろん、それどころかモーターの動く速度も必ずしも一定とはいえません。
そこで登場したのが、「BBD素子」を使うアナログディレイです。クロック周波数でディレイタイムを制御するアナログディレイは、テープエコーのような「保守管理」が必要なく、さらに小型、軽量でノイズも少ないという利点を備えていました。さらに、ディレイ音を出すために「ヘッドが2つ」必要なテープエコーでは物理的に不可能だった極短い時間のショートディレイもアナログディレイでは可能となり、「ダブリングディレイ」というワザを使うこともできるようになりました。
ところが、ロングディレイになると、アナログディレイは無力です。機能的にはクロック周波数を下げることでディレイタイムを伸ばすことは可能ですが、そのクロック周波数が原音の音域まで影響を及ぼすため、ディレイタイムにも限界がありました。
結局、アナログディレイも普及したものの、特別な「ショートディレイ」を求める場合を除いては、テープエコーに対する廉価版として使われていたようです。(といってもテープエコーは高いので、一般のギタリストにはアナログディレイの方が普及したようですね)

  • Digital is won

そうしているうちに技術が進歩してゆき、最終的に現代最も普及しているのが「デジタルディレイです」ディレイタイムは簡単に、しかも正確に設定でき、ノイズもなく、音質劣化もない・・・さらにアナログディレイでもテープエコーでも不可能だったような超ショートディレイから超ロングディレイまでを作ることが出来る・・・もちろんメンテナンスフリーで、小型、軽量なものもある・・・というわけで、テープエコーとアナログディレイの弱点を全て克服したのが「デジタルディレイ」というわけです。当初は高価という欠点がありましたが、現在ではアナログディレイやテープエコーの方がよっぽど高価だったりしますしw

  • 結局どうすれば・・・?

このように、歴史的な流れを見てみると、ディレイはデジタルが最強というように思ってしまいますが、では音質的にはどうなんでしょうか。
テープエコーは、先ほども述べたように、メンテナンスだけでなく、その物理的な構造による欠点も存在します。ところが、その「欠点」、例えばすりへったテープ、伸びきったテープ、モーターの速度が一定でないことによる「ワウ・フラッター効果」までもが、テープエコーの「味」として好まれています。
BBD素子を使ったアナログディレイ・・・そのディレイサウンドは、「BBDによるもの」というよりも、「クロック周波数」を音楽信号から除去するためのフィルタによるものである、といわれています。実際その要素は強く、クリアなサウンドが特徴なデジタルディレイに似たようなフィルタをかけてやれば、それでアナログディレイサウンドになるんだからアナログディレイなんて無意味なものだ、とさえ言われます。
しかし、アナログ部品・・・オペアンプなどの動きを厳密に再現するには、デジタルディレイもまだ発展途上ということでして、現時点では「アナログディレイと全く同じ音」のデジタルディレイは、まだ存在しないでしょうね。もちろん発振も含めて。
このように、デジタルはもちろん、アナログ、テープエコーそれぞれに愛好家が存在しています。例えばリズムに合わせた正確なディレイタイム設定が必要な場合はデジタル、アナログ独特の発振などが必要ならアナログ、テープエコーの音が欲しければテープエコー・・・と、このように使い分けをするのが一番でしょう。とはいえテープエコーは高いですし、複数の機材を使うのは大変なので、デジタルディレイによるシミュレートという方法は一つの解決策であることもまた事実です。
結局音作りは「どこで妥協するか」も大事です。妥協というとネガティブな感じがしますが、「全く妥協をしない音作り」なんてしていたら、いつまで経っても満足のいく音はできませんからねw
そんな中、「本物のテープエコーを使う」のも有りならば、「テープエコーシミュレータを使う」これもまた有りということになると思います。

では、実際にテープエコーを見てみましょう。

Guyatone RTE-3000

テープエコーとしてはある意味最新の機種です。特にテープエコーの欠点だった「メンテナンス」の問題を、まぁ解消とはいえないまでも軽減することに成功した機種ですね。
 

Fulltone Tube Tape Echo

Tulltone Tube Tape Echo
アメリカのハンドメイドエフェクターを代表するブランド「Fulltone」のテープエコーです。原型なったのは「MAESTRO ECHOPLEX」というテープエコーで、もちろんそれは「伝説」としてその音を求める方もいるようですが、このTube Tape Echoではメンテナンス、ノイズ面でマエストロよりも優位にたっていて、また音の太さも特筆モノ、とのことです。

現行品のテープエコーは非常に数が少なくさらに高価ですので、テープエコーシミュレータを使うこともありですね。昨今の多機能なデジタルディレイにはたいていテープエコーのシミュレータが入っていますが、ここではそれに特化した機材をいくつか紹介してみます。

Guyatone TD-X

Guyatone TD-X
「真空管」の力を使ったデジタルディレイで、テープエコー風のあたたかい音をシミュレートします。発振も独特で、評価の高い機種ですね。

【エフェクター】AKAI HEAD RUSH E2

【エフェクター】AKAI HEAD RUSH E2
価格:21,840円(税込、送料別)

こちらは、「特化した」というと少々違いますが、3モードのうち1つがテープエコーサウンドのシミュレータとなっています。4ヘッドのマルチタップディレイですが、特徴としては「各再生ヘッド」からの出力を別々に出すことができるという点ですね。タップテンポも搭載し、ヘッド間隔の調整も可能です。

BOSS RE-20

BOSS RE-20
親会社であるRolandの伝説的名機、「Roland RE201 Space Echo」を自社でモデリングしたペダルです。当時画期的だった「リバーブ付」の機能もシミュレートし、さらにコントロール系統や見た目を当時のRE-201風のデザインにするなど、かなり凝った製品といえますね。

T-Rex Replica

T-Rex Replica
「60年代テープエコー風サウンド」を再現するペダルとして大変評価の高いモデルです。かなり高価なペダルですが、その実力は多くの方が評価するところですね。

Hughes & Kettner REPLEX

Hughes & Kettner REPLEX
真空管12AX7を搭載したテープエコーシミュレータです。バイパス、リバーブのON/OFF、シングルヘッドディレイ、デュアルヘッドディレイをそれぞれフットスイッチで選択でき、Driveコントロールでテープエコー独特の歪みを再現することが可能というものですね。
 
というわけで、今回は「テープエコー」についてみてきました。ディレイの基礎編は、とりあえずここで一区切り・・・と思ったんですが・・・ちょっとディレイとは違う部分もあるんですが、次回は「ルーパー」について見てみたいと思います。



にほんブログ村 音楽ブログへ
免責:
紹介している商品のリンク先の販売店、およびメーカーと管理人は関係ありません。
仮に御購入の際になんらかのトラブルがおきましても管理人は責任を負いかねます。
当サイトは楽天アフィリエイト、Amazon.co.jp アソシエイト、Yahoo!アフィリエイト、アクセストレード、A8.net、リンクシェア、Google Adsence、iTunesのリンクを使用しています。
また、当サイトと同じ改造を行って何らかの問題が発生した場合も責任は負いかねます。ご了承ください。
Privacy Policy