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エフェクト世界紀行 Vol.16 〜BOSS OD-1〜


お借りしたペダルをレビューさせていただく「エフェクト世界紀行」シリーズ、今回もシンコーミュージックのSさんにお借りしたペダルを使わせていただきます。
今回は「BOSS OD-1銀ネジ」、場合によってはかなりの高価格で取引されているヴィンテージペダルですね。
では、いってみましょう!

BOSS OD-1 OverDrive


こちらが、お借りしたOD-1です。全角ハイフン、銀ネジ、デュアルオペアンプを搭載したモデルで、傷の付き具合などからOverdrive Book 2に載っているものと同一だと思われます。

まごうことなき銀ネジです。黒ネジのペダルも銀ネジに交換すれば音が良くなる、という冗談を言われるほど、BOSSの中古市場において「銀ネジ」はもてはやされていますね。たしかに一つの判断基準であることは事実だと思いますが・・・w
さて、このペダル、たしかに塗装面は傷が多いのですが、この銀ネジの周りにあるゴムがとてもきれいなんですよ。実戦において最前線で使われながらも、大切にされてきたペダルなんだなぁ、と思います。

シリアルはスイッチの上部に書かれていて、スイッチはブラックです。このシリアルだと、おそらく1979年12月に生産されたモデルだと思われます。The Clashがあの名盤「ロンドン・コーリング」をリリースしたのが79年12月14日ですから、まさにそのころに生産されたモデルということになります。・・・大げさに言えば、歴史を生き抜いてきたペダルですね。
コントロール類はいまさら説明不要かと思いますが、一応・・・LEVELとOVER DRIVEの2つのコントロールを持ち、TONEはありません。
では、中身も見せていただきましょう。

基板裏側です。ちなみに・・・


こちらは90年代に初期に生産されたACAアダプタの台湾製BOSS SD-1です。SD-1の方が電気信号の通る部分が太くなっていますが、基本的なレイアウトに大きな変更がないことが分かります。


基板オモテ面の比較。左がSD-1、右がOD-1です。生産工場も年代も違いますので仕様パーツは異なりますが、よく観察してみると、やはり部品点数は、SD-1の方が多いことは多いんですが、そこまで違いはないようですね。基板右上には伝統の3連ダイオードによる非対称クリッピングがみてとれます。どうやら低域を処理する部分と、バッファ部に違いがあるようですね。


OPAMPはJRC4558D、「艶アリ」となっています。ちなみにSD-1はJRC4558DD、艶無しのものが搭載されています。写真右上にある赤い3つ並んだものが、非対称クリッピングダイオードですね。
OD-1も初期のOPAMPはクアッドタイプでしたが、SD-1のOPAMPがJRC4558DDであることを考えると、後にSD-1のモデルとなったOD-1はこのデュアルオペアンプのタイプだったのではないかと推測されますね。
なお、噂で聞いたんですが、初期のなかでも最初期のOD-1(ほとんどプロトタイプ?)には、なんとディスクリート回路のものが存在する、という話があるようです。信憑性は「?」ですが、もし見かけたら超絶レアモノ、ということになるんでしょうか。

さてさて、ではレビューの方、いってみたいと思います。

  • 操作性

BOSSのペダルはいつまで経っても使いやすいですね。30年近く前に作られたとは思えないほど、踏み心地もいいしスイッチも的確に切り替わります。筐体のサイズも30年間ほぼ変わりませんが、日本製と台湾製では、微妙にペダル部のでっぱりが台湾製の方が大きく、またその下は日本製の方が大きいというようになっています。1ミリくらいの違いですがw コントロールもTONEなしの2コントロールのみですので、迷うことはまずないでしょう。

  • サウンドレポート

OD-1のサウンドについて、改めて語ることはあまりないと思います。言うなれば非対称クリッピングモードで、若干倍音成分が多くレンジの広がったTube Screamerというか、ゲインは高くありませんが、ハードロックなどに合う感じの、ちょっとゴージャスっぽい歪み音となります。オーバードライブサウンドとしては王道系ということになるでしょうか。
サウンドは、今でも見られるような「BOSS臭さ」がありますが、最近の新製品ほど「BOSSサウンド」ではないようにも思います。長い年月を経る間に、BOSSサウンドというべきものが確立されていって、ちょっと「BOSSならではの味付け」が濃くなったのかも知れませんね。
音に関してはこんな感じです。そこで今回は、「SD-1とOD-1」の違いを特に見ていきたいと思います。というわけで、比較音源をUPしてみました。

まず、比較方法についてです。ギターはテレキャスターを使い、PUはリアPU、ギター側のコントロールはフルテンにて行います。SD-1のTONEですが・・・ここはOverdrive Book 2のBOSS開発者インタビューにあった「TONEをセンターより少し上げたところが一番近い音」というのに習い、1時の位置に設定してあります。公平を期すため、切り替えにはSoul Power Instruments TBSW-1 Modを用い、スイッチャーのバッファをOFFとしてフットスイッチ一発でループ切り替えができる場所に接続しています。空間系は短く軽いディレイをかけています。

サンプル1

LEVEL、DRIVEともに12時設定にし、SD-1→OD-1の順にコードを弾いています。

サンプル2

LEVEL12時、DRIVEフルのソロです。SD-1→OD-1の順です。切り替えは15秒のところでおこなっています。

サンプル3

LEVELフル、DRIVEゼロとし、後段に某アナログにこだわるブランド製の、反応の良いオーバードライブをクランチ設定にしてONにし、それをブーストする、という比較です。ブースト無し→SD-1→OD-1→SD-1→OD-1の順で、フレーズ2かいずつの切り替えです。

さて、これらの音源から、特にサンプル1と3において、SD-1とOD-1には明確な違いがある、と感じることができるかもしれません。しかしサンプル2においては、ほとんど違いがない、というようにも思えます。
実はSD-1とOD-1では、SD-1の方が低域方向にレンジが広く設定されているため、同一の設定時にはSD-1の方が若干太くて大きい音が出せるのだそうです。音の太さはサンプル1で、増幅量の大きさはサンプル3が特に分かりやすくなったかな、と思います。すごく微妙な差ですがw
しかし、この2機種をオシロスコープに出力すると、特に倍音成分の出方はほとんど同じとなります。そのため、サンプル2のように、単音を弾いた場合にはあまり差異が出ないということになるようですね。
あとはうちにある録音機材では再現しきれない部分で、ほぼ体感にたよるしかないところになってくるんですが・・・弾き比べをしていて感じたことと言えば、SD-1の方がOD-1よりも音がほんのすこし硬いように思いました。これは果たして台湾製と日本製の違いなのか、それともOD-1とSD-1の違いによるものなのかということまでは分かりませんが、ほとんど同じなんですがたしかに違いがある、という感じですね。
個人的な好みとしては、若干やわらかいサウンドのOD-1の方が好きでした。ただ、実際にステージで使ったとき、どこまで違いが出るものなのか、となると疑問でもありますね。明確にこの違いを表現するには、プロフェッショナルな録音機材と、大音量で音を鳴らせる環境、そして腕が必要となってくるのかもしれませんね・・・がんばらねば。
 
というわけで、BOSS OD-1のレビューでした。シンコーのSさんの言葉を借りますと、ヴィンテージエフェクターは「たしかに貴重ですが今のペダルの方がいい」ということだそうです。特にレンジの広さ、再現力、そしてノイズレスという面からみると、近年のいわゆるブティック系ペダルは多くのヴィンテージペダルを圧倒的に凌駕する実力を持っていると思います。ただ結局、出音というのは好みもありますし、機材的な相性や他のパートと合わせたときの状況などによっても印象が変わってくるモノだと思います。ヴィンテージ、ブティック、そして現行の量産ペダルなどエフェクターを選ぶ際には様々な選択肢がありますが、「どれがいいんだ」と一概に決めることは難しいですね。だからこそ奥が深くて楽しいんだと思います。



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